2011年7月9日土曜日

お金がたくさんあることは幸せですか?

先日、中国人向けの、中国骨董品のオークションイベントが終わりました。
二日間で、なんと5億円!のお金が目の前を流れていきました。(現金は数千万円でしたが)

僕はそこで、なにをしていたかというと、
朝からオークション会場となっているホテルのホールを走りまわっていました。
コンピューターに少し詳しいというので、なぜかこういったイベントの落札から精算までの計算システムを組んで、運営する仕事をしているのです。
ヨーガ以外にこんな特技があったんですね。


ところで、中国人向けの、骨董品のオークションっていきなり書いてもなんのことかわからないですよね。
説明してみます。


今、中国の経済が20年前の日本のバブルのように、どんどんと膨れ上がっています。

お金持ちはお金が有り余っていて、有り余ったお金を置いておくのもったいないので、なにか価値のあるものを売り買いしようとします。

そこで登場するのが、骨董品です。

戦後、経済成長の時と、中国から多くの骨董品が安く買われては日本で売られていました。
中国の美術品がどんどんと日本に流出したのです。

今、その骨董品を日本から持ち帰ると、中国では高値で取引されるのです。

そこで、この10年くらいの間に、日本で中国人のための、中国骨董品がオークションというのが始まったのです。

近頃は、オークションというとyahooオークションなどインターネットでのオークションがイメージされるかもしれません。

でも、これは、生のオークションです。

イベント会場にその骨董品や美術品が展示されて、中国人バイヤーが熱心にルーペなどで調べてその骨董品の価値を確かめに来ます。

当日は、モニターに写真を表示して、落札者たちが目当ての品が出てくると、自分の番号札を上げたりして、競りあってどんどんと値を上げていくのです。
値が上がりきって、誰も札を挙げなくなると、ハンマー係が、
バチン、と音を立てて、

「356番、150万円、謝謝」

と、その値段での落札者を決定するのです。

熱心な顧客は中国から電話で参加して、電話の向こうから会場の様子を確かめ、代理の中国人スタッフに落札の札を挙げさせて、落札します。

今回のオークションで一番の高値が4500万円だったか、4800万円だったか、忘れましたが(自分のお金ではないので、どうでもいいのですね!)の書画でした。

受付で業務していると、となりの中国人スタッフの女の子(ほとんどのスタッフは日本の大学に留学しに来ていて、日本語が堪能なのです)がタメ息をついて、

4500万円!! はぁ~、マンション買える~

その後にも何千万かの落札があり、

はぁ~マンション買える~
というのです。

マンションばっかりやなぁ、他にほしいもんないのん?
と聞くと、

そしたら、ハワイに旅行に行きたい!
何回行けるやろ。向こうに住めるんと違う?

とまたもやタメ息です。

こんなとき、ついついヨーガ講師の私としては、聞きたくなるのです。
「何が本当の幸せか」を。

じゃあ、ここに来ている人のような、お金持ちの人と結婚すれば、幸せなんじゃないの?

お金があれば、この世界、この時代においてすべての自由を手にしているようなものです。なんでも買うことができて、なんでも手に入れることができるはずです。

そうしたら彼女は答えました。


「ダメダメ。お金がたくさんあったら、大変なこともたくさん」

えーそうなの? そのとなりの中国人スタッフにも聞いてみました。あなたもそうですか?

「お金がたくさんあると、苦労も多いです」

では、何が幸せなの?

私は学校に行って勉強したり、楽しいことをしていることが幸せ。


お金、お金と騒いでいるオトナたちを横目に、
今この時を輝いている、学生たちは、
本当の価値は何なのかを、見極めようとしていました。

なんだかホッコリしたひとときでした。

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