2011年9月21日水曜日

チェルノブイリでヨーガを

9月18日(日)~19日(月)はヨーガ堂・土初のリトリート、しかも登山をも含めたリトリートを行なう予定だったのですが、台風の接近によって、10月に延期することになり、マントラとプラーナヤーマ・ワークショップを開催しました。

二日目は、朝早くから実践編に参加してもらった生徒さんと、京都へと向かって、
鎌仲ひとみ監督作品の映画『ミツバチの羽音と地球の回転』を見に行ったのです。

この映画は、舞台は山口県祝島(いわいしま)でのドキュメンタリーで、30年以上前からの上関原子力発電所建設計画に反対してきた島の人達の姿と、いっぽう先進的なエネルギー政策を進めてきたスウェーデンにおいて、持続可能なエネルギースタイルを創りだしたオーバートーネオ村の人たちの働きや、その生活を、丁寧に取材してきた鎌仲監督の優しい眼差しがいっぱい詰まった映画です。

映画の後の鎌仲監督のトーク
普通映画は東京などの首都圏からはじめて、地方へと上映するものですが、この映画は祝島からはじめて、地方をまわり、そして都市部へと上映が進んできたという草の根的映画なのです。

鎌仲監督の映画の良さは、登場してくるどんな人物も、どんなモノも、敵とか味方とかではなく、ただただ、本当の知恵とは何か、それを知らない自分たちとはどういうものか、ということを教えてくれるところです。
たとえば、原発に反対する人がいます。
それは実際に生活に関わっていて、そのことがあることで命が危ないのです。
反対に原発を推進している人たちがいます。
それは実際に生活に関わっていて、そのことがあることで、命がつながるのです。



私たちの考えはさまざまありますが、それは狭い視野でしか物事を見れていないからです。
でも、真実はひとつしかありません。
しっかりと真実だけを見つめていくと、選択することは1つだけになってくるのです。
真実を知るためには、その道具=感覚器官としっかりと裏付けがとれている考えが必要です。
原子力発電に関して言えば、絶対安全というのは崩れ去っていく神話(というより、デマ)だったことが福島において証明されています。
そして、たとえ、これからその安全性を高めたところで、人間の知識や想定を超えたことが起こることが予想されるのは当然です。しかも、核のゴミ=放射性廃棄物に関しては、もはやどうすることもできないこともできないくらいに増えていて、青森の六ケ所村で再処理なんぞしてしまって高レベル廃棄物になると、100万年にも渡って管理していかなければならないのです。

さらに、電力の消費はいままで明らかになっていなかったことがありました。
これまでに原子力発電所が一基もなくても、日本の電力はまかなえていた、という事実です。
(この夏も電力足りないーなんて言ってましたが、この10年間でも4位という暑さにかかわらず大丈夫でした。稼動していない火力発電所が世界に比べても多いそうですよ)

どうしてそんなことがおきたのか、というと…
「日本では戦後一貫して10電力会社が、発電、配電、送電を独占している」から自分たちがたくさん儲かるようにいろんなあの手この手を使っているからなのです。原子力発電所を作ると国から補助金がおりたり、経費をかければかけるほど電気代に乗せることが出来たりします。

だから、電力は足りなーい、とか、
原子力発電はCO2をあまりださないクリーンなエネルギーですよーなんてことが、
東電では広報費300億円(!)のうちの、年間30億円というPR費でもって、新聞やテレビや、マスコミ関係者は札束でひっぱたかれているのです(あとの270億円の広報費というのはどこに行ってるのかな? たぶん政治家と地方です。ということは……)
電気事業連合会というのがあるのですが、そこのを足すと年間1000億円の広報費なんですって。
それを知らないわたしたちは、
そうなのかなーなんて思わされてきたというわけです。
ちなみに2008年にはすでに、「日本広告審査機構(JARO)は「原発はクリーン」との電事連広告を不適切と裁定」なんだそうです。

僕が大学生の頃でしたが、忌野清志郎が、
「電力は余ってる、いらねぇ、欲しくねえ」と原子力発電批判の詩を発表して、
それに感動して、福井県原発ツアーと称して、夜中から車で原子力発電所を見に行ったことを思い出します。

朝ヨーガの後の映画とトークで濃い一日でした!
さて、さて、大切な事はいっぱいありますが、
今回ははじめて鎌仲監督にサインをいただきました!これは大切な事です(笑)
サインを頂くなんてことは、この人生の中でも実は、2、3回目かもしれません。
(1回目は野田知佑というカヌーイストでした)
その時に、
「ヨーガを教えているのですが、今日は生徒さんと一緒に来ましたぁー」
なんて脳天気に言いましたら、
鎌仲監督は、
「たくさん連れてきていただいてありがとうございます。
チェルノブイリではね、長生きしている人はヨガをしているんですよー。
だから、これからヨガは日本でも大切になりますよー
なんて言ってくれたのです。
思わず、「そうなんですか!! うれしいです!頑張ります」と言ってしまいました。

直前の、鎌仲監督によるレクチャーでは福島の原子力発電所の爆発があって、
放射能が東日本にたくさん飛び散っていて、その量はどうしてマスコミがしっかり報道してくれないのかほんとうにわからない。海外だったら、相当危険なレベルと認定され、これはカタストロフィ、「破局」だというのです。
なぜしっかりと報道されないかという理由は、
東電を始めとする電力会社が「年間30億円というPR費」でもってマスコミを動かしていること。
それから政治家も電力会社からの献金が膨大だということ。
で、政治は混乱したままだし、
野田さんは
現状も未来への展望もしっかりと報道されていないのです。

mumokuteki cafeの野菜セイロ
そして、検査をされていない野菜などが関東圏で売れないので、関西に流れているということでした。放射性物質というのは、消化や化学変化することはありませんから、最後は下水処理場に溜まるのです。特に大阪で多いということです。

体内に取り込まれた放射性物質は、外からの被曝と比べて、その量ははるかに少なくても確実に周りの細胞のDNAを傷つけていきます。時間を経て、ガンとなって体を蝕みます。(お米は放射性物質を取り込みにくいのだそうです。なので、検査をしっかりしていくことで、汚染された地域の生産物もちゃんと流通できるはずなのです)

そんな事実の中、
鎌仲監督がおっしゃっていたこと、
チェルノブイリでもヨーガは行われていて、
そして免疫を高めて、長生きをさせてくれる、という事実は、
とっても嬉しかったです。
すごい希望ではないでしょうか。


そして、もうひとつ、
この独占されているエネルギー生産は
これから自然エネルギーを利用した小規模発電、分散型へ。また送電もスウェーデンのように独占させずに、分散させて、自然エネルギーを利用した企業から電気を買えるようにするなどの選択できるスタイルへと変えていくことが、
この日本を救う道だということが、この映画を通じてほんとうによくわかったのです。みんなの知識が無知から混乱、そして最後には正しいものに訂正されて、私たちは本当の幸せへとたどり着きます。本当のことを知るためには、少し自分自身の努力が必要になりますが、でも教えてくれる人は密かに待っていてくれています。
いつも大きな声を上げているおおきな組織に従うのはもう時代遅れだと思うのです。
これからは、しっかりと自分を見つめて、世界を見極めていく観察力と、選択力が自分たちをハッピーにしてくれるのです。そして、ちいさな声でもやさしくみんなに届くように発言してくこと。
ヨーガはそういった観察力と選択のチカラを与えてくれると思っています。

長くなりましたー
みなさんも、ぜひこの映画を見て、
鎌仲監督に会ってくださいね。元気もらえますよー

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